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胃カメラ(胃内視鏡検査)検査で分かる疾患〜H.pylori感染時の所見について〜

みなさんこんにちは。前回はH.pylori (ヘリコバクター・ピロリ菌)未感染時に見られる内視鏡所見についてお話ししました。今回はH.pylori感染時に見られる内視鏡所見についてお話ししたいと思います。

 

以前H.pylori 感染時によく見られる所見として萎縮性胃炎、腸上皮化生、鳥肌胃炎などがあるとお話ししました。

 

①萎縮性胃炎

H.pylori非感染の胃粘膜は、表面が平滑で光沢があり、胃の襞が細く真っ直ぐに走行しているのが特徴です(左図)。H.pylori感染の胃粘膜は、全体的に赤くなり、胃の襞が太く蛇行することもあります。H.pyloriが長く感染していると胃粘膜が傷害され、胃酸を出す胃腺というものが減少し、胃粘膜が薄くペラペラ(萎縮)な状態となります。右図は萎縮性胃炎の内視鏡像です。写真の上側は粘膜が褪色調となり、萎縮粘膜の部分です。一方写真の下の部分は赤みのある粘膜であり、萎縮のない粘膜部分です。

 

②腸上皮化生

先程の萎縮がさらに進行した胃粘膜では、大腸や小腸の粘膜に似た「腸の粘膜」に置き換わり、粘膜の表面に凹凸が生じてきます。これを「腸上皮化生」と呼びます。

 

胃粘膜に白色の隆起(腸上皮化生)を認めます。「萎縮性胃炎」→「腸上皮化生」という経過の中で、胃がんが発生すると言われています。

 

③鳥肌胃炎

鳥肌胃炎は胃粘膜に均一な小顆粒状隆起が密集して認められる胃炎で、内視鏡所見で鳥肌のように見えることから鳥肌胃炎と呼称されています。小児から若年成人H.pylori感染者に多く認められる所見です。

 

鳥肌胃炎はH.pylori初感染像として、局所の過剰免疫応答である可能性が考えられています。鳥肌胃炎は胃がんの発症リスクが高く、若年女性に多いことが知られています。

 

H.pylori (ヘリコバクター・ピロリ菌)感染が心配という方は、是非ご相談ください。お待ちしております。

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