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胃カメラ(胃内視鏡検査)検査で分かる疾患〜H.pylori未感染時の所見について〜

みなさんこんにちは。前回は『胃炎の京都分類』についてお話しさせて頂きました。

今回はH.pylori (ヘリコバクター・ピロリ菌)未感染時に見られる内視鏡所見についてお話ししたいと思います。

前回H.pylori 未感染によく見られる所見としてRAC、胃底腺ポリープ、稜線状発赤があるとお話ししました。

 

①RAC

RACとは(regular arrangement of collecting venules)の略で、内視鏡的に“胃体部に集合細静脈が規則的に配列する像”を指します。

 

胃の粘膜を近接して観察すると、“ヒトデ状の血管模様が整然と配列する像”として視認されます。RAC像が胃体部全体に観察される場合をRAC陽性として、H. pylori非感染の正常胃と判定します。RAC陽性の場合は95%の正診率でH. pylori非感染の正常胃であると言われています。

 

②胃底腺ポリープ

底腺ポリープはH. pylori非感染の炎症のない胃粘膜に発生するポリープです。周囲の胃の粘膜と同調のポリープであることが特徴です。

ごく稀に胃底腺ポリープからのがんの報告がありますが、その頻度は極めて稀であり、原則経過観察で問題なく、治療を要しません。

 

③稜線状発赤

前庭部大彎や体部小彎の縦走帯状発赤として観察されます。

慢性胃炎としての所見に急性炎症が加わった所見ですが、H.pylori未感染時に見られる代表的な内視鏡所見の一つです。

 

次回はH.pylori (ヘリコバクター・ピロリ菌)感染時に見られる内視鏡所見についてお話ししたいと思います。お楽しみに。

 

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